関の家
素直に のびやかに
敷地は関市西部の武芸川に近い古くからの集落の一画にあります。近年、高速道路のインターチェンジができ、周辺の環境が大きく変わりつつありますが、周囲には田畑が多く、その背後には素朴で美しい山並みが見え、のんびりした風景を楽しむことができます。
敷地は、既存の住宅を取り壊し、西側の畑を含めたかなり余裕のある敷地です。北側には、お父さんが仕事で使われていた鉄骨工場があり、東側と南側には住宅が建っています。また、西側には車関係の資材置場になっていますが、市街地とは異なり、周囲との距離が保たれているため、陽当たりや風通しの良い環境となっています。
クライアントの家族構成は、ご夫婦と生まれたばかりのお子さんの3人家族です。ご両親とは同居されていましたが、将来を考えて、新たな住まいを新築されることになりました。要望の一つとして、アトピーやアレルギーの関係で、できるだけ身体にやさしい住まいづくりをすることになりました。
余裕のある敷地と恵まれた環境を活かして、すべての部屋が南に面して風通しの良い平家の木造住宅とすることにしました。使う木材はすべて無垢材を使い、内部の壁や天井はすべて左官塗としました。予算の関係もあって、塗装工事と内部の左官塗すべてが、クライアントの仕事になりました。ご両親も手伝われながら、一枚一枚自然塗料を塗られるご家族。休みをすべて使い、黙々と一人で珪藻土を塗り続けたご主人。現場の職人さんが本当に感心していました。できあがった家は家族の想いと記憶がいっぱい詰まった住まいになりました。庭づくりもまた、楽しい時間になる予定です。
所 在 地 岐阜県関市
構造・規模 木造平屋
延 べ 面 積 130.13㎡
竣 工 2010年
施 工 株式会社 相宮工務店